いよいよ本シリーズも最後になりました。
前回までで WordPress をインストールする準備が整ったので、今回は WordPress をインストールして初期設定を行い、WordPress が利用できる状態まで持って行きたいと思います。
WordPress 用データベースの作成
WordPress のインストールを行うため、まずはデータベースを作成します。
1. MySQL にログインする
TeraTarm でサーバーに接続して以下のコマンドを実行し、パスワードを入力して MySQL に接続します。
1 | mysql -u root -p |
すると下記のようなメッセージが表示されます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 | Welcome to the MySQL monitor. Commands end with ; or \g. Your MySQL connection id is 42 Server version: 5.5.40-0ubuntu1 (Ubuntu) Copyright (c) 2000, 2014, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Oracle is a registered trademark of Oracle Corporation and/or its affiliates. Other names may be trademarks of their respective owners. Type 'help;' or '\h' for help. Type '\c' to clear the current input statement. |
2. WordPress 用データベースを作成する
以下のコマンドを TeraTarm から実行し、WordPress 用データベースを作成します。
1 2 3 4 5 | CREATE DATABASE wordpress; GRANT ALL PRIVILEGES ON wordpress.* TO "username"@"localhost" -> IDENTIFIED BY "password"; FLUSH PRIVILEGES; exit |
username と password の部分は任意の値に置き換えてください。
3. unzip をインストールする
WordPress のインストールファイルが zip ファイルなので、事前に unzip をインストールしておきます。
以下のコマンドを TeraTarm から実行し、unzip をインストールします。
1 | sudo apt-get install unzip |
4. WordPress を取得し仮想マシンに送信、解凍する
ローカルの PC にて http://ja.wordpress.org をブラウザで開き、WordPress の zip ファイルをダウンロードします。
その後、TeraTarm のメニューから[ファイル]→[SSH SCP]をクリックし、表示されたダイアログにて、[From]に WordPress の zip ファイルを指定し、[Send]ボタンをクリックして、ファイルをアップロードします。
最後にアップロードしたファイルを以下のコマンドで解凍します。
1 2 | unzip wordpress-4.1-ja.zip sudo cp -r wordpress /var/www/ |
5. Apache のドキュメントルートを変更する
Azure 上の自サイトのドメイン(http://xxx.cloudapp.net)にアクセスしたら WordPress で作成したサイトが表示されるようになるよう、Apache のドキュメントルートの設定をします。
TeraTarm にて以下のコマンドを実行し、既定の設定ファイル (000-default.conf) をコピーして、新しい設定ファイル (blog.copnf) を作成します。
1 | sudo cp /etc/apache2/sites-available/000-default.conf /etc/apache2/sites-available/blog.conf |
新しく作成した設定ファイルを vi で挿入モードで開き、 のタグの間に、 http://xxx.cloudapp.net にアクセスされたら WordPress が開くように以下の設定を追記します。
また、ログファイルの出力先も wordpress ディレクトリ内にまとめます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 | ServerAdmin serveradminname DocumentRoot /var/www/wordpress ServerName xxx.cloudapp.net <Directory "/var/www/wordpress"> AllowOverride All <Directory "/var/www/wordpress" /> ErrorLog /var/www/wordpress/logs/error.log CustomLog /var/www/wordpress/logs/access.log combined |
serveradminname は任意の値に、ServerName は Azure 上のドメイン名に変更してください。
blog.conf への設定の追記が終わったら、TeraTarm にて以下のコマンドを実行し、blog.conf を通常使う設定ファイルとして指定します。
1 | sudo a2ensite |
すると、以下のメッセージが表示されるので、blog と入力してください。
1 2 3 4 | Your choices are: 000-default blog default-ssl Which site(s) do you want to enable (wildcards ok)? blog Site blog already enabled |
最後に Apache の再起動をして、ユーザーに WordPress への閲覧権限を付与します。
1 2 | sudo service apache2 restart sudo chown -R www-data:www-data /var/www/wordpress/* |
ここまでの設定がうまく行っていれば、以下の URL を Web ブラウザにて表示することができるはずです。
http://xxx.cloudapp.net/license.txt
※xxx の部分は、任意の URL に合わせて変更してください。
6. WordPress のインストールウィザード
これがいよいよ最後の手順です。
ここからは Web ブラウザのみでの作業となります。
Web ブラウザにて以下のサイトを開きます。
http://xxx.cloudapp.net/wp-admin/install.php
データベース名、ユーザー名、パスワード、データベースのホスト名は、手順2で SQL 文に指定した値と同じものを指定してください。
テーブル接頭辞は「wp_」で特に問題ないかと思います。
すべて入力したら、[送信]をクリックします。
「wp-config.php ファイルの書きこむことができません。」というエラーが出力された場合は、仮想マシン上の /var/www/wordpress/wp-config.php ファイルを開き、ダイアログに表示されているテキストを貼り付けてから、[インストール実行]をクリックします。
必要事項を一通り入力し、[WordPress をインストール]をクリックします。
これで、一通りのセットアップが完了し、WordPress が使えるようになりました。
こうして頑張って作成した WordPress は、Azure Web Site の標準テンプレートに含まれる WordPress テンプレートと違い、データベースが ClearDB サービスを使用しないので、Azure の課金体系の中にデータベースの料金も含まれる形になりますし、Azure Web Site よりもパフォーマンスが良くなった気がします。
Linux 不慣れな私でもいろいろ調べながらセットアップができたので、みなさんもぜひお試しください。
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