SharePoint ソリューションの開発環境を構築する

投稿者: | 2013年12月29日

はじめに

SharePoint 2013 のソリューションを開発するための環境を構築する方法を説明します。
なお、SharePoint 用アプリや Office 用アプリの開発環境構築については、以下の記事をご参照ください。
SharePoint 用アプリおよび Office 用アプリの開発環境を構築する

SharePoint ソリューションの開発環境は、SharePoint と Visual Studio を同居させる必要がありますので、全開発環境に SharePoint をインストールすることとなります。
そのため、全開発環境にサーバー OS も必要になり、非常にコストがかかることとなります。
従って、開発期間が短いのであれば、評価版で環境をそろえるということも検討されるとよいかと思います。

構築手順

開発環境は以下の手順で構築します。

0. 開発環境に必要なマシンスペック
SharePoint 開発環境には、SharePoint も SQL Server も Visual Studio もインストールする必要があるため、非常に高いマシンスペックが必要になります。
msdn によると最少マシンスペックは以下となります。

CPUコア:4コア
メモリ:10GB
ディスク:80GB

ちなみに上記スペックで試したところ、ビルドしてデバッグ実行できるようになるまで、2,3 分待つ感じでした。
CPU コアを 8 コアにすることで、1 分弱まで抑えることができました。
快適な開発をするには、やはり最少スペック以上の構成にする必要がありそうです。

1. SharePoint Server 2013 のインストール
まずは SharePoint Server 2013 をインストールします。
インストール時には一点だけ注意点があります。
インストールオプションでサーバーの種類を指定することができますが、ここでの選択内容によりこの後の構築手順が変わります。
image_thumb_0FB28C3A

ここでスタンドアロンを選択した場合は、SQL Server が自動的にインストールされ、特に難しい設定はなく SharePoint を立ち上げることができます。
完全を選択した場合は、別途 SQL Server のインストールが必要になり、SharePoint の細かな設定も行う必要があります。

インストールと構成が完了すると、SharePoint が動作する環境が一通りそろいます。

2. Visual Studio をインストール
次に Visual Studio をインストールします。
Visual Studio は 2012 か 2013 をインストールしてください。

ここでも注意点があります。
一点目、Visual Studio のエディションは、Professional、Premium、Ultimate のいずれかである必要があります。
二点目、Visual Studio 2012 を使用する場合は、Visual Studio 2012 をインストール後、Office Developer Tools for Visual Studio 2012(無償) もダウンロード、インストールしてください。

3. SQL Server の[最大サーバーメモリ]を変更する
手順 2 までで、SharePoint ソリューション開発は可能になるのですが、SQL Server の[最大サーバーメモリ]を設定しておくと、より快適に開発ができるようになるかと思います。
SQL Server は SharePoint に同梱されている Express Edition がインストールされているため、SQL Server Management Studio のような GUI ツールがインストールされていません。
従って、sqlcmd ユーティリティを使って、[最大サーバーメモリ]の設定をします。

コマンドプロンプトを管理者モードで起動し、以下のコマンドを入力してください。

1 行目の –S オプションの値は、接続する SQL Server インスタンスの名前になります。
SharePoint をスタンドアロンでインストールすると、”サーバー名SHAREPOINT” というインスタンスが作成されますので、サーバー名の部分を任意の名前に変えて入力してください。
6 行目の数字が割り当てる最大メモリになります。上記コマンドでは、2048MB 割り当てています。
全体のメモリ容量にもよりますが、開発で使うだけであれば大量のコンテンツデータを扱うわけでもないと思うので、メモリは少な目にしておいて問題ないかと思います。